bisen-OB会会員「ガンちゃん」による不定期コラムコーナーです。

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「ガンちゃん」 

猪股岩生 〜 グラフィック専攻の9期卒業生。画家/造形デザイナー。

屋外造形物、建築、景観の造形プランナーをはじめ、ホームページ制作、CI構築代行と幅広く活動。また、北海道の自然をテーマにした風景画を描き続けている。

絵画工房gan-gan 代表。




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第60回記念展公募 新道展
〜 絵画・版画・立体造形・インスタレーション 〜
 
会場:札幌市民ギャラリー(札幌市中央区南2条東6丁目)
会期:2015年8月26日(水)〜9月6日(日)

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本日は我らが齊藤健太さんの作品を鑑賞すべく、新道展の会場の市民ギャラリーを訪れました。

看板
会場風景1


受付からすぐの一階の会場風景

すっきりと見やすい展示の会場。新道展は今年60回の記念展を迎えている。
「道展」は1925年(大正14)、「全道展」は1945年(昭和20年)、「新道展」は1956年(昭和31年)にスタートしていて「道展」と名がつく中では一番新しい美術団体ではあるが、それでも半世紀以上の歴史がある北海道を代表する美術団体である。


齋藤氏作品


まずは受付で頂いた作品掲示案内で2階会場に展示されている齊藤さんの「アルダーナリシュヴァラ」を鑑賞。

障子や屏風を連想させる和のテイストは齊藤さん独自の手法で、会場に入った瞬間すぐに見つける事が出来た。一昨年まで同ギャラリーの同じ展示室で校友会のOB展を行っていたスペースに展示されていて、感慨深いものがある。
題名の「アルダーナリシュヴァラ」はヒンドゥー教の男女両性の神様。男性神はシヴァ神(右半分)女性神は妻のパールヴァティー(左半分)を表し、男女の能力を持った「完全神」を意味している。

どこかインドの文化や文明を感じるエキゾチックで穏やかな表情が印象的。
同じインド発祥のヒンドゥー教と仏教は、インドラ神は帝釈天、ブラフマー神は梵天など共通する神々がいたりとかなり類似する世界観もあり、それが日本人には不思議な親近感を呼ぶ部分なのかも知れない。
墨絵で描かれた表現はOB展や二人展で何度か拝見しているが、その筆致は伸びやかで丁寧な印象は変わらない。筆致に合った大きくダイナミックに描かれた無駄の無い構図も心地よい。北24条の喫茶店チャオでの二人展でも同様のテーマを感じさせる作品があった事を思い出す。(ちなみに作品画像をご紹介していませんが、二人展の折展示されていた切り絵画家の工藤エリコさんも出品されています。)確実に内なる創作キャリアを積み上げてる証だと思う。更なる飛躍を感じる入選作品でした。


会場風景2


齊藤さんの作品を堪能した後、会場作品を鑑賞した。
作品名や作者名を挙げずに気の向くまま、印象に残った作品についての感想を散文的に書かせて頂く事をお許し願いたい。


最近の公募展は風景や人物等身近なモチーフやテーマにした具象作品が減って来た様に感じていたが、同展は写実作品が大半を占め、飛躍しすぎない、しっかり地に足が着いた作品が多く見応えがあった。

作品3

中央の作品は梟の顔を大きくモノトーンで描いたシンプルな構成の作品。平凡になりやすい構図とテーマを見事に迫力のあるオリジナリティーを感じる作品に仕上げている。

作品7

積丹を描いた作品(中央)は行った人が崖から見下ろした時感じる、高度感と海面の美しい透明感ある独特の色合いが見事に表現された秀作。

作品2

会場風景3

作品4

開発や気候の変化のためだろうか、子供の頃どこにでもあった懐かしい北海道の原風景が失われつつある印象がある。静かで落ち着いた風景画を観るとほっとした気分になる。

オブジェ作品1

立体作品。意味するところは不明だが、現代と過去を繋ぐオドロオドロしい妖気に近い何かを感じる作品。不思議な吸引力がある。

会場風景5

自己作品ついてか、気になった作品について話しているのか分からないが真摯な後ろ姿が印象的。

作品8

羊の群れを描いた作品(中央)は写真では分かりにくいが、練達したソフ トなタッチで描かれ、整理された穏やかな背景とよくマッチしていて心地よい作品。一番手前の芝生で寛ぐ羊の表情が心を和ませてくれる。

齊藤さんの快挙のお陰で沢山の作品を堪能する事が出来た展覧会でした。


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ガンちゃん こと 猪股岩生